照明演出について

  • カテゴリー:コラム
  • 投稿者:Rumio

街へ出てのストリートライブ、CDショップなどのインストアライブ、自室の映像配信ライブと大きく異なるのが、音響・照明設備が整ったライブハウスでのライブです。
照明をうまく活用すれば、迫力のあるステージや幻想的な空間を演出することが出来ます。
魅力的なステージを作るために、照明にどんな表現や効果があるのかをチェックしていきましょう!

もくじ

・色や明るさ、光の当たり方
・そのほかの照明効果
・スモークって?
・「真っ暗」「完全暗転」について
・持ち込み機材で特殊な演出をしたい
・照明資料の書き方
・リハーサルで確認する

◯色や明るさ、光の当たり方

 

色と言っても、色彩学など専門的な知識は不要!感情や情景、歌詞やタイトルのイメージをそのまま照明で表現することが出来ます。写真で違いを見てみましょう。

オレンジ系ではあたたかく、青系では冷たい印象になります。
このように、色は聴く人に曲のイメージを伝える要素となります。
また、原色系(赤・青・緑)を使うとパキッと締まった感じ、パステルカラーを入れると優しい雰囲気になります。
イメージに合わせてステージを彩っていきましょう!

次に明るさによる見え方の違いですが、曲の盛り上がりやキメ(目立たせたい場所)で明暗をつけるイメージでいいと思います!それを踏まえた上で、写真を見ていきましょう。


音が多いフレーズは左のように明るして盛り上がりを演出したり、ソロや静かな場面では右のようにスポットライトをあてると、スポットが当たっている人や物へ注目させることが出来ます。
明暗をつけるとステージにメリハリがつきますよ!

次に光をどの方向から当てるかによる違いです。ステージの前から・横から・後ろからの3パターンで解説していきます。

(左)ステージ前から、(中)ステージ横から、(右)ステージ後ろから

ステージ前からの照明は、ステージにいる人やセットをはっきり見せるためのものです。
横から照らす場合、背景に光が当たらないので当たった人やセットが浮かび上がって見えます。
ステージの後ろからの照明は「目潰し」や「バックライト」といって、人や物のシルエットを出すことが出来ます。
曲のイメージに合った光の当て方を色々試してみましょう!

◯そのほかの照明効果

ストロボ…カメラのフラッシュのような強い光を高速で光らせ、雷やストップモーションのように見せられる効果があります。
ミラーボール…クラブのようなギラギラとした空間や、バラードで使うと星空を演出することが出来ます。

様々な照明効果により、ステージの印象はグンと変わります。
続いて「動く照明」をチェックしていきましょう♪

人の動きや音に合わせて光を動かすことが出来る照明を「ムービング(ライト)」といいます。
ムービングも他の照明と同様に色を変えたり、壁などに模様をつけたり、光の筋の太さを変えることが出来ます。
ジャンプするセクションでムービングを上下に動かして躍動感を出したり、
光の筋を細かくしてゆっくり動かすことで、キラキラとした雪を表現したり…
ムービングを使うと、より音が生きたステージになりますよ!

ムービングは光の筋がとても綺麗なのですが、スモークがないと効果が薄くなります。
次はスモークの効果について見ていきましょう。

◯スモークって?

スモークとは、液体を霧状にして噴出したものです。光の筋を見やすくしたり、霧や雲のような演出にも使われます。
「スモークがなくても光や色って見えるものじゃないの?」と思う方も、どれくらい変わるのかまずは見てみましょう。


(左)スモークなし/(右)スモークあり

スモークがない状態でも「光ってるな」「何色だな」と分かりますが、写真でも分かるようにスモークがない人や物のない空間は光の筋はほとんど見えません。スモークは光の筋を見やすくするのに効果的ということですね。
ライブハウスによってはスモークの使用は別料金が発生する場合もあるので、事前にライブハウスへ確認しましょう。
Rumioでのスモークの使用は利用料金の中に含まれているので、素敵なステージを作るために是非ご活用ください♪

◯「真っ暗」「完全暗転」について

たまに「演奏中に真っ暗にしてほしい」という要望がありますが、足元や手元が全く見えない暗闇の中では思ったような動きが出来なかったり、転倒や怪我に繋がる可能性も…!
持ち込みの機材(ペンライトなど)を使用したり曲のイメージとしての演出の場合も、 必ず照明さんにその旨を伝えてリハーサルで「暗さ」も確認しましょう。

足元が暗くて見えにくい時は、「蓄光テープ」という光を溜め込んで発光するテープを貼っておくといいでしょう。電源も不要なので、持ち運び・設置もとても簡単です。ライブハウスによってはこのテープがない場合もあるので、自分で用意しておくといいと思います。
蓄光テープに限らずライブハウスの壁や機材にテープを貼る場合は、近くのスタッフに一言お声がけくださいね。

◯持ち込み機材で特殊な演出をしたい

「照明機材を持ち込みたい」という方は、事前にライブハウスや主催しているイベンターさんへ連絡しましょう。
電源の容量であったり、設置に時間がかかるものはタイムテーブルの進行上NGということもあります。NGだった場合でも演出意図が伝われば、別の演出を提案出来るかもしれません。一緒にオンリーワンのステージを作っていきましょう!

どんな照明にするか決まったら、いよいよリハーサルで曲と合わせての確認です!
貴重なリハーサル時間を有効に使うため、事前にどんな準備をすればいいのかお話していきます。

◯照明資料の書き方

事前に資料を準備出来ない場合は、当日会場入りしてからライブハウスが用意している「セットリスト」に記入します。セットリストの書き方はこちらの記事も参考にしてみてください。
→必要資料とタイムテーブル

小節ごとなどの細かい要望がある場合は、事前にライブハウスへ送っておきましょう。
音資料はデータ名に曲のタイトル・メドレーになっているならその説明、歌詞や演奏がハッキリ聴こえると照明さんもイメージが掴みやすいと思います。
歌詞とともに、曲の構成・色・歌詞か小節ごとの要望を書いておくと、リハーサルでもスムーズに確認出来ます。
照明資料の書き方の決まりはありませんが、イメージとしてはこんな感じです。

イントロ(8小節) 激しく、動き多め
Aメロ(8小節)  青
Bメロ(3小節)  逆光、シルエット
ブレイク(1小節) ボーカルにピンスポット
サビ(16小節)   明るく、ドラムのバスドラにあわせてチカチカ


特に細かい希望がない場合は、曲のテーマや歌詞のイメージを一言添えるだけでも照明さんがタイミングや雰囲気に合わせて作ってくれます。
照明資料を小節ごとに区切って色や明るさを書いたり、一目見てどんな曲か分かる資料だと照明さんも「気合いが入ってるな~!」と思って頑張ってくれますよ!

◯リハーサルで確認する

資料の提出とセッティングが終わったら、いよいよ曲に合わせてのリハーサルです!
事前に資料を送っている場合は、照明さんに資料が届いているかリハーサル前に確認しておきましょう。資料を送ってからセットリストの変更があった場合も確認が必要です。
そのほかのリハーサルについてはこちらの記事を参考にしてください♪
→失敗しないリハーサル

演奏前に「曲名」と「どの部分を演奏するか」を伝え、曲に合わせて作っていきます。
リハーサルの進め方は人によって様々ですが、全体の流れを説明したり、曲の切っ掛けやキメ(スポットライトに切り替えるタイミングなど)、曲の繋ぎのような資料だけでは伝わりにくい部分を確認します。
演奏中にステージから降りてタイミングや明るさを見たりしてもOK!
照明がバッチリ合うと、より魅力的なステージになりますよ!

照明はまさしく「ステージを彩る」演出です。しっかり作り込めば、音が踊っているかのような生き生きとしたステージとなります。きっちりと準備してお客さんとひとつになれるライブを作っていきましょう!

ここまで閲覧いただきありがとうございます!
照明効果について説明させていただきました!

他にもライブハウススタッフならではのいろいろな記事があるので気になった方はそちらもご覧ください

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